毎年8月6日、日本全国は「原爆の日」を迎え、広島への原子爆弾投下を記憶にとどめ、深い祈りとともに戦争の悲劇を振り返ります。
この厳粛な記念日は、戦争の恐ろしさを再認識し、暴力によって、あるいは「自衛」の名のもとに核兵器を保有することは、 真の平和は決して実現しないということを私たちに強く問いかけます。
毎年この日、広島平和記念公園では平和記念式典が執り行われ、多くの人々が犠牲者とそのご遺族のために祈りを捧げ、恒久平和への誓いを新たにします。
日本のカトリック教会もまた、平和を求める声を上げ続けています。 各教区では、被爆体験の証言や戦争のもたらした痛みを学び、核兵器廃絶と非暴力の道を訴える様々な取り組みがなされています。
たとえば、本年2025年7月27日(日)午前10時30分より、甲子園カトリック教会にて、被爆体験の証言と平和についての講話が行われる予定です。
しかし、このような平和への祈りがささげられる一方で、世界のどこかでは、再び戦火の兆しが見え始めています。 近年のイスラエルとイランの緊張関係、
とくにイスラエル首相による核兵器に対する懸念の表明は、新たな衝突の火種になりかねない状況を生んでいます。
その背景や真相には複雑な政治的事情があるものの、歴史が何度も示してきたのは、戦争において最も深く苦しむのは、いつも罪のない市民であるという厳しい現実です。
だからこそ、私たちは一人ひとりが、心からの祈りをささげましょう。世界のあらゆる暴力と戦争が 終息し、平和が実現されるよう願いを込めて。
ここで、被爆後に白血病で亡くなった少女・佐々木禎子さんの物語にインスピレーションを受けた言葉をご紹介します。
「広島の灰の中から千羽の折り鶴が舞い上がった――悲しみは希望に変わり、憎しみに屈しない祈りの手が平和の象徴を折り続けた。」
私たちにできることは小さくとも、こうした記念の日を通して、次の世代に戦争の道徳的・霊的影響を伝えていくことは、未来の平和の礎となるに違いありません。